アリサとユウミの2人から話を聞いたルーシーは、すぐさま部屋を飛び出した。
引き連れるのはアリサとユウミ。向かう先は―――カノンの部屋だ。
王宮内に住まう侍女と同じように、カノンにも自室が与えられていた。
殴るようにノックを叩きつけて、仕事終わりのカノンが顔を覗かせたところで、
有無を言わさず中に押し入る。
ルーシーとは比べ物にならない、しかし整理整頓された質素な室内。
突然のことに呆然とするカノンを3人で取り囲んだ。
ルーシーは、沸々と湧き上がる怒りを抑え込むように笑みを作る。
そして、カノンに問いかける。
「ねえカノン。あなたがギル様と密会してたっていうのは本当なの?」
アリサとユウミの言う「知らせたいこと」それは、カノンとギルバートの密会だった。
たまたま裏庭を通りかかったところで、2人が一緒にいるところを目撃したのだった。
ルーシーの言葉に、目を見開くカノン。
それが何よりの答えだった。
「……ふっざけんなよ!!
あの人は、アンタみたいのが気軽に会える人じゃない!!」
ただでさえ頂点に達していた感情は怒髪天を衝き、表情が般若のそれに変わる。
「なんで、なんでアンタなんかと……っ」
ギルバートは、カノンに対して優しい笑みを見せていたという。
そんなもの、ルーシーの前では滅多に見せたことがないのに。
2人は、親しげに寄り添っていた。
だとすれば、ギルバートがルーシーに振り向かないのも、冷たい態度を見せるのも、
全部全部―――カノンのせい?
「……許せない……」
それは地を這うように低い憎しみの声だった。
引き連れるのはアリサとユウミ。向かう先は―――カノンの部屋だ。
王宮内に住まう侍女と同じように、カノンにも自室が与えられていた。
殴るようにノックを叩きつけて、仕事終わりのカノンが顔を覗かせたところで、
有無を言わさず中に押し入る。
ルーシーとは比べ物にならない、しかし整理整頓された質素な室内。
突然のことに呆然とするカノンを3人で取り囲んだ。
ルーシーは、沸々と湧き上がる怒りを抑え込むように笑みを作る。
そして、カノンに問いかける。
「ねえカノン。あなたがギル様と密会してたっていうのは本当なの?」
アリサとユウミの言う「知らせたいこと」それは、カノンとギルバートの密会だった。
たまたま裏庭を通りかかったところで、2人が一緒にいるところを目撃したのだった。
ルーシーの言葉に、目を見開くカノン。
それが何よりの答えだった。
「……ふっざけんなよ!!
あの人は、アンタみたいのが気軽に会える人じゃない!!」
ただでさえ頂点に達していた感情は怒髪天を衝き、表情が般若のそれに変わる。
「なんで、なんでアンタなんかと……っ」
ギルバートは、カノンに対して優しい笑みを見せていたという。
そんなもの、ルーシーの前では滅多に見せたことがないのに。
2人は、親しげに寄り添っていた。
だとすれば、ギルバートがルーシーに振り向かないのも、冷たい態度を見せるのも、
全部全部―――カノンのせい?
「……許せない……」
それは地を這うように低い憎しみの声だった。

