「……久しぶりだな。元気そうでよかったよ」
「そっちこそ。で? もう帰り?」
何となく、朝陽の声が、冷たく感じる。
二人って、そんなに仲悪かったっけ……?
「……まぁ、そうだな」
「なら俺真香送ってくよ。家知ってるし」
「……そっ。なら谷口、また飲み行こ。じゃあな」
「あ、うん、じゃあ……」
そうして、野村は背を向けて歩いていった。二次会の場所って歩いて行けるところらしいから一人でも大丈夫か。男だし。
でも……この人どうしよう。いきなりの登場で、心の準備というものが、全くない。さっきまで朝陽来ないって知って気を抜いてたから余計だ。
「飲んでたんだ」
「……うん、そう、ね」
「楽しかった?」
「……まぁ、うん」
どうしよう……同窓会やってたって、朝陽に言っちゃっていいのかな。仲間外れにされてた、なんて……心が痛いというか、なんというか。
「……はぁ、これだから我慢出来なくなるんだよ……」
「え?」
が、我慢……?
一体、何を我慢して……
「幼馴染、って言葉が嫌になる……」
「っ……」
幼馴染。
それは、私がずっと縋ってきた言葉。幼馴染だからこそ、朝陽の近くにいられた。だから、幼馴染でいなきゃ、朝陽とこうして話すことも出来なくなる。
この気持ちがバレたら、きっと溝が出来てしまうから。
でも、朝陽は嫌だと言った。
それは、どういう意味?
目元が熱くなってくるけれど、ここで泣いたら笑いものだ。だから目に力を入れていたけれど……
「幼馴染だから、他の奴らより、俺の方が真香との時間を独占できた。でも、さ……彼氏なんてもんが出来たら、俺、一緒にいられねぇじゃん……」
えっ……?



