朝陽と付き合ってはないんだろって? どうしてそんな言葉が出るの?
いや、あいつは幼馴染だ。そういうのは……一切、そう、一切ない。
「……付き合ってないよ」
「そ、っか……」
足を止めた野村を振り返った。何だか、ホッとしているような表情を浮かべていた。一体、何を考えているのだろうか。すると、真剣な目に変わった。
野村は、一体何を言い出す気……?
「俺、さ、高校の時から、谷口の事、好き――」
「よっ、野村」
そんな時だった。野村の声を遮るかのように、他の声が聞こえてきた。
私の肩に、手が置かれた。それはまるで、あの日、朝陽と偶然会ったときのように。
振り向くと、スーツを着た朝陽がそこに立っていた。
「……マジかよ」
「へぇ、東京来てたんだ」
「まぁ、な」
……東京に来てた、なんて、さも、同窓会を知らなかったような発言だよね、これ。
もしかして……知らなかった……? まさかの、伝え忘れ?



