昔話に盛り上がり、どんどんお酒が進んで潰れる寸前の奴まで出てくる始末。ここで一旦お開きにしようという事になった。ヤバそうなやつはタクシーで帰らせ、二次会をこの後するそうだ。
とはいえ、私は明日仕事があるのでここでお別れだ。まっ、皆の元気な顔が見れたから満足だ。
「谷口」
タクシーで帰る人達を見送り、さて私も帰ろうと駅に足を向けた時だった。私を呼ぶ声がした。
振り向くと、今日参加したクラスメイトの一人がいた。野村、だっけ。今回の同窓会の幹事だった気がする。
「ちょっとさ、話あるんだけど、いい?」
「話?」
「そ」
歩こうぜ、と言われ二次会に行った同級生達とは反対側を歩き出した。
確か、野村とは学生時代あまり話さなかったような……? まぁ、クラスメイトとして普通に接する事はあったけれど、さして親しい仲でもない。
けれど、私の記憶を覗くとあの時より大人っぽくなったような気も……ん~? どうなんだろ。
「まだ、さ。遠山と会ってるの?」
「えっ……」
いきなり、朝陽が話題に出されて一瞬肩が上がりそうになった。ここにはいない人物のはずなのに。
「あ、うん、そうだけど……幼馴染だし」
この前いきなり会ったんだ、とは言わなかった。いろいろと、内心では複雑だから。幼馴染、と付け足してしまったのは、ついだ。最近は、朝陽は幼馴染だと自分に言い聞かせていたから。
「……付き合っては、ないんだろ?」
その瞬間、大きく心臓が脈打った。



