〇回想兼説明
あーん♡事件(恋桃にとっては事件そのものです)の後、先輩のクラスの展示を見に行ったりダンス部や軽音部のステージを観たりしました。
その間ずっと視線を感じていたのでやはり先輩の美貌は皆の共通認識のようです。特に女性陣からの視線が痛かったです。
そんな先輩の隣に恋桃のような可愛い子が隣にいたら焦りますよね。
まぁこの場所を譲る気なんて毛頭ないですけど!
文化祭の二日目は午前中に少しお店をしたし、午後はほとんど片付けと体育祭の準備で終わりました。
先輩と接点がなくて残念でしたが、明日は先輩の運動するお姿が見れるので乗り切りました。


〇校庭
全員体操服。恋桃は毛先を軽く巻いている。

そして迎えた体育祭!まさに青天!
日焼けは嫌ですけど世界がキラキラして見えるので好きなんですよね。

恋桃「斗愛先輩!タオル2枚持ってきたのでよかったら使いますか??」←駆け寄る
斗愛「自分の持ってきたから遠慮するね」
恋桃「またまた先輩!照れちゃって可愛いです」

いつものやり取りをしていると子安と田崎がくる。

子安「桃ちゃん今日も絶好調だねー」
田崎「いつも斗愛に付きまとってるけど友達いねーの?」
恋桃「ちゃんといますよ!?いつも5人で行動しているんですけど今一人は今日来てくれている大学生彼氏のもとに、一人は他校の彼氏のもとに、あと二人は他団の彼氏のところに行っているんです」
田崎「え、周り全員彼氏持ちなの?」
恋桃「そうです!」

2人ともえって顔で恋桃を見る。子安は若干恋桃に同情する。

恋桃「もうすぐ恋桃にも彼氏が出来るのでみんな彼氏持ちになりますね!ねー斗愛先輩♡」
斗愛「そうなるといいね」
恋桃「んな!そんな他人事みたいに言わないでください!」

子安、田崎、爆笑。

恋桃「お2人とも笑わないでください!恋桃は真剣なんですー!!」


〇選抜リレー

「見て!筒井君走るよ!」
「きゃあかっこいい!」
「ビジュ爆発してない??」
「やばいやばいやばいえぐっ」
↑斗愛ファンの女子たち

午前の部はもう最終種目の選抜リレー目前に迫りました。
そのせいで女性陣が騒がしくなっています。
ちなみに恋桃は無事障害物競走を1位でフィニッシュし、先輩から「頑張ったね。お疲れ様」というお言葉をいただきました!!
↑恋桃、説明

恋桃(あっ先輩!)

斗愛入場。
女性陣の声援も同時に大きくなる。
それに負けないように恋桃も声を張り上げた。

恋桃「斗愛先輩ーーーー!!!!頑張ってくださぁぁぁああい!!!!」

斗愛、振り返る。

恋桃(あれ、目あってます!??今先輩と目あってますよね!?!?)

困惑していると斗愛が笑いながら手を振った。
周りから悲鳴のような歓声が上がる。

恋桃(今のって恋桃に向けて、ですよね!?今なら推しに個レスをもらったオタクの気持ちが分かる気がします・・・!!無論恋桃にとっての先輩は推しじゃなくて好きな人ですけど!!!)

心がふわふわしているうちにリレーがスタートした。

斗愛は第4走者。
現在第2走者が走っていて青団(恋桃と斗愛の団)は2位。1位と差が開きつつあるので何とか頑張ってほしいところ。
頑張れ頑張れと祈っていると第3者にバトンを渡すときにバトンを落としてしまう。その影響で一気に4位に。そして周りからは批判的な声が。

恋桃(あああうるさいです。こういう時ほど応援するべきだというのに・・・!)

斗愛にバトンが渡る。
今回はバトンパスがうまくいき流れで3位の人を抜く。

恋桃(って、え、先輩の走るフォームめちゃくちゃきれいじゃないですか?かっこいい!)

恋桃「斗愛先ぱぁぁぁいい!!かっこいいですぅぅぅううう!!!!」

声援ではなく感想を叫ぶ。

斗愛が2位に浮上する。そのままバトンが渡る。リレーはそのまま2位でゴールした。


〇退場門

退場した斗愛に駆け寄る恋桃。

恋桃「先輩めちゃくちゃかっこよかったです!さらに好きになりました!!」

しれっとタオルを渡そうとしたがやんわりと断られる。

斗愛「そう?それにしても桃ちゃんの声って結構響くよね」
恋桃「え?そうですか?」

恋桃(可愛いだとかはきはきしているだとかは言われたことがありますが、そうは言われたことがありません。どちらかというと声が高くて飛んでしまっていると言われがちです)

斗愛「・・・?」
恋桃「???」

お互いはてなマークを浮かべたまま午前の部は終了。


〇応援合戦(軽く流していいところ)

午後の部の最初の種目は応援合戦!
そう!恋桃のでる競技です!
応援合戦というと学ランを着るイメージがありますが、この高校はそんな決まりはなく自由やってます。
クラスTシャツならぬ団Tシャツを着ている団もあれば体操服をアレンジしてしている団もあります。
その中で恋桃の団は学ランとチアリーダーという王道を取らせていただきました!
団長の掛け声に合わせて声を出していきます。
そんな中ふと先輩に言われてたことを思い出しました。
先輩の言う通りだった場合、今恋桃の声が響いているってことですよね?
そんな感じしないんですけど。
今回ばかりは先輩の勘違いだと思います。


〇応援合戦終わり・青団のテント

恋桃「斗愛先輩!恋桃の格好はどうですか?可愛いでしょう?」

デートのときのように一周して服装を見せようとしたが斗愛に肩を掴まれ止められてしまう。

斗愛「待って」
恋桃「え、何でです?」
斗愛「そんなことしたらスカートめくれちゃうでしょ」
恋桃「はいっ!?」

恋桃(確かに今日はいつもよりも丈が短いですけど、え、先輩、そんなこと気にしてたんですか!?恋桃の脚が、先輩に、み、見られ・・・・・!?)←ぶわわっと頬が赤くなる

恋桃「ど、どこ見ているんですか!先輩の変態!!!」

あまりの羞恥に耐えられなくなりそのまま駆け出す恋桃。

恋桃(先輩が悪いんですからね!!)

恋桃(あぁでも余計なことを口走ってしまいました。先輩に向かって変態は言い過ぎたかもしれません・・・)歩みが徐々に遅くなる

恋桃(って先輩から感想聞いてない!でも醜態をさらした直後に戻って感想を求めるのも気まずいですし、またあと聞くことにしましょう)

そう思いながら更衣室に行く。


〇更衣室から帰るところ・廊下・体操服に着替え終わってる

女の先輩A「ちょっと、あんたよね?筒井君につきとってる後輩ってのは」
恋桃「多分恋桃のことでしょうが、"斗愛先輩につきまとってる"ではなく"斗愛先輩とよく一緒にいる"と言っていただきたいです」
女の先輩B「は?今そこ関係ないし」

恋桃(・・・なんということでしょう)

更衣室から校庭に戻ろうとしたところ、見知らぬ女性の先輩方に絡まれた。

恋桃(せっかく窓から校庭にいる先輩を眺めながら歩いていたというのに!!見知らぬ先輩に絡まれてしまいました!!)

残念なことに斗愛に背を向ける形で立つことに。

女の先輩B「ていうかそもそもその呼び方!なんでちゃっかり名前で呼んでんの?筒井君のことは名字で呼ぶっていう暗黙のルールを知らないわけ?」
恋桃「知りません」
女の先輩A「は?筒井君ファンとしての常識だから!そんなことも知らずによくも筒井君に近づいたわね!」
女の先輩C「ほんとありえないから!」
女の先輩D「黙ってないで言い訳でもしてみたらどう?」

恋桃(言い訳・・・ですか。それは特にないんですけど訂正しておかなければならないことがあります)

恋桃「えー、まず前提が間違ってます。あなたたちと違って恋桃は斗愛先輩のファンではありません」

恋桃「つまりあなた方が勝手に決めたルールに恋桃は従わなくていいってことです!」←ビシッと

女の先輩たちの顔が更に不機嫌そうに歪みました。

女の先輩C「は?じゃあ何?彼女とでもいうわけ?」
恋桃「違います。ですがいずれそうなるかと」
女の先輩A「な、何調子に乗ってんのよ!あれだけつきまとっても付き合えてないじゃない!どうせ脈なんてないんだから、さっさと消えてくれない?」
恋桃「・・・・?」

恋桃(人はそれをブーメランと呼ぶのではないでしょうか)

恋桃「それはどちらかというとあなた方じゃないですか。徒党を組んで先輩に誰も近づかないように牽制しあって・・・正直めんどくさいです。そんなのだから1年も遅れて入ってきた恋桃に先輩の初デートを奪われるんですよ?」
女の先輩D「は、初デート!?」
恋桃「あっ、ごめんなさい!今のは忘れてください!では失礼します♡」

そのまま立ち去る。


〇校庭

恋桃が戻った頃にはすでに斗愛は借り物競争にでるために招集されていた。
始まる前にエールを送りたかったのですができなかった。

恋桃(それもこれもあのファンたちのせいで・・・!!あ、いけませんね。人を恨んでいたら顔が歪んでしまいます)

顔の筋肉をほぐそうとしていると斗愛の番が来た。
この時のために恋桃と友達はいろいろなものを集めた。
タオル、水筒はみんな色が被らないようにしましたし、笛やヘアピン、ヘアゴムも準備した。
あとは斗愛を待つのみ。

恋桃(あ、でももしこれが背が高い人かだったらどうしましょう。友達の彼氏でも呼びましょうか・・・)

借り物競走がスタートし、斗愛がお題の紙を拾った瞬間声をか上げる。

恋桃「斗愛先輩こっちですーーー!!!!」

恋桃の声に反応して斗愛がこちらを向き一直線に走ってくる。

他の人はお題の紙を広げながら来るのに斗愛は広げておらず、広げ忘れてるって恋桃は思う。

恋桃(先輩のうっかりしたところも可愛いですけど、こちらの対応が遅れてしまいますよ・・・!!)

恋桃「先輩、お題は何だったんです・・・ってはい!?」←グイッと斗愛に手をとられる
斗愛「桃ちゃん一緒に来て」
恋桃「えぇ!!?」

状況がうまく把握できないまま斗愛に手を引かれゴールまで向かっていく。

恋桃(これって少女漫画によくあるお題が『好きな人』のパターンですよね!?え、公開告白になるんですか!?え!?!?どうなんですか先輩!!!!!)

斗愛と一緒にゴールテープを切る。

恋桃「先輩!やりましたよ!1位です1位!!先輩と恋桃が!!」

反射的に手のひらを向けると斗愛がバチンとハイタッチする。

斗愛「いきなり連れ出してごめんね。びっくりしたでしょ」
恋桃「いえいえ!気にしないでください。むしろ恋桃にとってはご褒美に近いので」
斗愛「ご、ご褒美・・・?」
恋桃「そんなことより、その、あの・・・・・お題に紙にはなんて書かれていたんですか?も、もしかして『好きな人』とか・・・!?」←遠慮がちに上目遣いで
斗愛「いや『可愛い子』って書いてあったよ」

斗愛があっさりと言うから恋桃がぽかんとする。

恋桃(か、「『可愛い子』って書いてあったよ」?? え・・・・・えぇ!!??!?!?!?)

恋桃「てことは先輩、恋桃のこと可愛いって思ってくれてるんですか!?」←初めて告白した時のように可愛く見える角度で斗愛を見上げる
斗愛「・・・・・・・」←顔をそらされす

恋桃(明らかに前回と反応が違います!!)

斗愛「・・・可愛いと、思ってるよ」
恋桃「ふへ・・・?」

恋桃(先輩が、恋桃を、可愛いと思っている・・・!?元々そうだろうとは思っていましたが思い込みかもしれないと自重していたのに先輩の口からそれを聞けるだなんて・・・!!感動です!ここが学校じゃなかったら泣いていたぐらいに!!)

恋桃「嬉しすぎます先輩!じゃあじゃあ!チアリーダーの格好も可愛いかったですか!?」
斗愛「・・・うん」
恋桃「わぁああ幸せです!!もう一回!もう一回言ってくれませんか?」
斗愛「やだ」←小悪魔みたいに
恋桃「え」←浄化される

恋桃(その「やだ」は反則ですよ先輩・・・。これは完全な照れ隠しですよね?可愛すぎませんか・・・。今人生で初めて人に可愛さで負けた気がするんですが・・・・・)