壁の中の彼氏

  すでにベッドや勉強机などは搬入されていて、亜美の立派なお城といった雰囲気だ。
「わぁ、キレイ!」
  天井には小ぶりなシャンデリアが下がっていて、すぐに亜美のお気に入りになった。
  一番好きなのは出窓で、そこに好きなクマのぬいぐるみを飾る。
  すでに組み立てられている本棚には小学校の頃から何度も読み直している本をぎゅうぎゅうにつめた。
  最後に新しい制服をクローゼットにかけると、もうたまらなくなって亜美は部屋から飛び出した。
  学校までの道のりはすでに聞いている。
「ねぇ、学校まで歩いてみてもいい!?」
  広いダイニングキッチンで食器類を片付けていた両親へ向けて言う。