壁の中の彼氏

 私は優子になにか悪いことでもしてしまっただろうかと思いを巡らせる。
「アミは前回の同じコンテストで最終候補まで行ったんだよ。それに勝てるとは思わないけどね」
 優子の嫌味に、どうしてそこまで目の敵にされているのかなんとなくわかった。
 優子はずっとアミの味方で、アミのファンだったんだろう。
 そんなときに亜美は同じ名前で同じ文芸部に入部して、そして同じコンテストに参加しようとしている。
 その上完成できていない作品を先生に称賛された。
 それでは面白くないのも仕方ないことかもしれない。
「私にはそこまでの実力はないと思う。だけど、参加するだけならいいでしょう?」