壁の中の彼氏

「コンテストに参加するかどうかは個人の自由でしょう?」
 友惠には弱いようで、優子は口を引き結んで黙ってしまった。
 だけどその目は亜美を睨みつけている。
 険悪なムードになりかけたとき、アミが三人の間に割って入ってきた。
「まぁまぁ、とりあえず実力試しってことで参加してみてもいいんじゃない? もちろん、優子が言う通り完結させた作品の方がいいとは思うけど、応募要項ではそうも書いてないんだし」
 アミの声にはどこか余裕に満ちていた。
「アミがそういうなら、別にいいけど」
 優子はそれでも納得行かない表情のままだ。
 なにがそんなに気に入らないんだろう。