壁の中の彼氏

 時間はかかるかもしれないけれど、完結作品が増えるのは自分でも嬉しいことだった。

☆☆☆

「最近楽しそうな顔してるな」
 夕飯の席で父親にそう言われて亜美は自分の頬を両手で包み込んだ。
 そんなに顔に出ていただろうか?
「新しい学校が楽しい?」
 続けて母親に聞かれて亜美は素直に頷く。
「うん。クラスのみんな優しいよ」
「友ちゃん?」
「うん」
 すでに友惠のことは話してあったので、引っ越してきてから毎日のように友惠の名前を出している。
「それでね、明日から部活に入ることにした」
「美術部?」
 母親に聞かれて亜美は左右に首をふる。
そして箸を置いた。
「今度は文芸部に入ることにしたよ」