壁の中の彼氏

 それは亜美にとってすごく大人びたことのように感じられた。
 しばらくベランダで友惠と話をしていると、優子が迎えに来た。
「読み終わったよ」
 その声はなんだか棘がある気がして亜美と友惠は顔を見合わせる。
 怒るほど面白くなかっただろうか。
そんな不安を抱えて部室へ戻った瞬間「すごく面白かったよ!」と先生が亜美に握手を求めてきたのだ。
 亜美は驚いて動きを止める。
 そして部内にいる面々を見回した。
 優子とアミはつまらなさそうにそっぽを向いているけれど、他の部員たちは笑顔だ。
 自分の作品が受け入れられたのだとわかり、亜美の体温が急上昇していく。
「あ、ありがとうございます!」