壁の中の彼氏

 昨日は恥ずかしがる必要はないと自分に言い聞かせることに成功したけれど、当日になるとやっぱり気後れしてしまうところがある。
 なにせ作品を読むのは何度も最終候補に残った経験のあるアミだ。
 何を言われるだろうと想像するだけで心臓が張り裂けてしまいそうになる。
 こんなことなら、家族や友達にちょっとでも自分の作品を読んでもらっていればよかったと、今更ながら後悔する。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。部長のアミが感想くれるかもしれないんだし」
「そうだけど、やっぱり自信なくて」