壁の中の彼氏

 アミに聞かれて亜美は曖昧に頷いた。
「完成はしてないけど……」
「作品を完成させるのって難しいよね。それでもいいから、持ってきてくれない? 読んでみたいから」
「わ、わかった」
 正直自信はなかった。
 読書量も経験も全然足りていない、拙い文章だと思う。
 なのよりも他人に作品を読ませたことはまだ一度もなかった。
 自分の夢をひた隠しにしてきたからだ。
「まだ入部するって決まったわけじゃないのに、すでに期待されてるね」
友惠が隣から亜美をつついてそう言ったのだった。

☆☆☆

 その日の夜、亜美は新しい学校について散々両親から質問攻めにされた。