壁の中の彼氏

 否定されたらどうしようと胸に不安が膨らんでいる。
 だけど目の前の友惠はパッと笑顔を見せた。
「ホラー? それすごくいいよ! 文芸部にはホラーを書く人がいないから、すっごくいいよ!」
 友惠は亜美の手を握りしめてぶんぶんと上下に振る。
 本当に嬉しそうにそう言われて亜美は戸惑った。
 こんなに歓迎してくれるなんて思ってもいなかった。
「そうだね。ホラーを書く人がいれば、また少し部内に活気が出るかもしれない」
 部長のアミもまんざらではなさそうだ。
 さっきまで本に熱中していた先生もこちらの話しに興味を持ったようで、顔をあげている。
「今まで書いてきた作品はある?」