壁の中の彼氏

 それでも中学生ふたりが見知らぬ男と合うのは緊張と恐怖を伴った。
 約束の十分前にはファミレスに到着してドリンクバーを注文したけれど、そのグラグはまたたく間に空になる。
 亜美が追加でドリンクをついで戻ったとき、席に見知らぬ三0代くらいの男がいることに気がついて警戒心を強めた。
 男は友惠の前の席に座っている。
「亜美ちゃん」
 友惠が亜美に気がついて手招きをする。
 男が振り向いて会釈をしてきた。
 優しそうな雰囲気で、ふっくらとした頬があたたかみのある印象を与えている。
亜美は恐る恐る席に近づいて「どうも」と、頭を下げて友惠の隣に座った。