壁の中の彼氏

「待ち合わせ場所はこっちから指定しよう。できるだけ人が多いところ」
 亜美の提案に友惠は頷いた。
 念の為にそれぞれが防犯ブザーも持ち、学校を出る。
 待ち合わせ場所は駅前のファミレスにした。
 あそこなら夜中でも人が多くて、妙なことはできないはずだ。
「いざとなれば走って逃げて、助けを呼ぶこと」
「そこまでのことにはならないと思うけどね」
「でも、念には念を入れておくべきでしょ」
 友惠が言って亜美は頷いた。
 一応、ファミレスからは出ずに会話をして、 話が終わったら男に先に帰ってもらう予定にしていた。
 亜美たちが後からファミレスを出れば、男に後を付けられてしまうかもしれないからだ。