壁の中の彼氏

「作品は家に帰ってから書くから平気。それよりも私もあの行方不明者について知りたくなっちゃった」
 そのためにはスマホでチマチマ調べ物をするよりも、市立図書館へ向かって資料を読むほうがいいと判断したみたいだ。
 この街の図書館にはまだ足を運んだことがなかったので、亜美としてはありがたかった。
 駅前にある大型商業施設の6階に図書館はあった。
 下の階とくらべてここはとても静かだ。
 大きな図書館と貸し出し可能なスペースがあるだけで、他にはなにもない。
 図書館の中に足を踏みれると大学生の男女が就業前の小さな子どもたち相手に読み聞かせのボランティアをしていた。