壁の中の彼氏

 なにをしていても頭の中が真っ暗になる。
 目の前が暗転して、気がつけば横になっていることも多かった。
 みんなはその原因を友だちだったアミが死んでしまったからだと思っていた。
 でも違う。
 それだけならここまで重たい気持ちを引きずったりはしていない。
 アミはいなくなったのは自分のせい。
 そして惹かれていた男に放った言葉への後悔のせいだった。

☆☆☆

 男が返事をしてくれなくなって数日後のことだった。
 夜ごはんを食べた後ダラダラとテレビを眺めていた。
 その半分の内容も頭に入ってこなかったけれど、テレビはどんどん先へ進んでいく。
「この街でも行方不明者がいたんだなぁ」