壁の中の彼氏

 一万文字以内で書けたその作品はニ人の少女が同じ夢に向けて歩んでいく物語だった。
 一方は毎日努力をして一方は夢を叶えたいと願うばかりでなにもしない。
 そうしている間に同じ月日を過ごしているはずなのにニ人には差が生まれてくる。
 一方が成功すれば一方はそれを、どうせ今だけだからとあざ笑う。
 最終的に何かを得ることができたのは、笑われてバカにされながらも毎日努力を積み重ねてきた方。
 そんな話だ。
「おもしろいね。だけどよくある話だからもう少しひねりが欲しいから」
 男からの意見はそんな感じだった。
 自分でもそう思っていただけに何も言えない。