壁の中の彼氏

自分はきっと甘えている。
 そう感じた亜美は男からもらったネタだけではなく、自分で考えた作品も執筆するようになっていた。
 幸い、男から教えてもらった小説や映画を見ることで数本のネタが溜まっている。
 その中から短編で書けそうな作品を選んだ。
「最近はなにを書いてるんだ?」
 亜美がパソコンに向かっていると、男が興味津々に訊ねてきた。
「自分で考えたネタを書いてみてるの。あまり、面白くないかもしれないけど」
「それはいいね。できあがったら、ぜひ聞かせてほしい」
 もちろんそのつもりだった。