壁の中の彼氏

 スマホの画面にはすでに結果発表のページが表示されているはずだ。
 亜美たちだって自分のスマホを取り出してすぐに確認することはできるけれど、それをする生徒は一人もいなかった。
「今回のコンテストは……」
 顧問の声にゴクリと唾をの飲み込む。
 祈るような気持ちで亜美は両手を強く握りしめた。
「大賞、福田亜美!」
 その瞬間部室内がワッと歓声に満ち溢れた。
 普段は創作する生徒たちのために静かな空間であることが多い部室が、グラグラと揺れるほどに沸き立つ。
「大賞!?」
「すごい! 本当に才能があったんだ!」
「さすがだよね。今回も入賞すると思ってたけど、大賞だなんて」