壁の中の彼氏

 ニ度の受賞経験がある亜美はそれだけで期待されているし、ここでなにかしらの結果を残さないといけいという空気に包まれていた。
 期待の視線を一心に浴びて今すぐ逃げ出したい気持ちになるけれど、グッとこらえた。
 視線を上げてアミを見ると、アミは険しい表情で顧問を見ていた。
 その目は睨みつけているようにもみえる。
 アミにとっても今回のコンテストは特別力を入れていたに違いない。
 なにせ文芸部で一位ニ位を争う実力の持ち主だ。
 アミの結果についても、みんなが期待していた。
 そんな重たい荷物を背負ったふたりの視線が顧問へ向かう。
 顧問はスマホ片手に部員たちを見回した。