覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 そのまま海面から港に上がれるコンクリート階段がある場所まで導かれ、地上にあがることができた。

 さいわい、体に異常や怪我もないようで、なにごともなくすんだみたい。


 水中でもがき苦しんでる時の時間は長く感じたけど、実際は、みんながすぐに海へ飛び込んで助けてくれたから大丈夫だったようだ。


「みんな、泳ぐの上手だね、すごいな……」


 おしりをコンクリートの地面に付けてヘタリ込む私を見ながら、賢斗くんは言う。


「真央の時とはちがう、俺たちは成長して今は中学生なんだ。これぐらい泳げないと、漁師の子供だって胸張って言えないだろ」


 賢斗くんの言葉を聞いて、深く頷いてるのは親が漁師の男の子ばかり。

 そのカッコイイ姿に、私は思わず胸がギュっと締め付けられた。



 立ち上がった私は服と髪がビショ濡れで、海水がコンクリートの地面にポトポト落ちている。

 不快な思いをしながら顔を上げた先に、泣き崩れる妹の姿があった。



「心配かけてゴメンね、真央……」


「……」


 海水でビショ濡れの私にかまわず、抱き付いてきた真央は声にならない呻きと共に泣き崩れた。



 みんながいる前で、泣かせてごめんね……真央……