覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 賢斗くん、イガちゃん、他にも泳ぎの上手な子たちが次々と海中に飛び込んでる。

 海の中で目を見開くみんなの視線は、まっすぐ私に向いてた。


 私は、右手をみんなに向けて一生懸命に伸ばす。

 その行動に答えるように、賢斗くんやイガちゃんも手を差し出してきた。

 私は手や腕を掴まれ、海面に向かって引き上げられる。


 水中にいる周りの子たちも、私をつかんで必死に泳ぐ。

 体に力の入らない私を海面に引き上げ、賢斗くんが声をかけてきた。



「だいじょうぶか!」


「……ゲホッ! ごほほっ! ……すごく息苦しかったけど、なんとか……」



 すぐ隣で、イガちゃんも親指を突き立てて白い歯を見せた。



「あっ、ありがとうイガちゃん……」


 苦笑いを見せる私が海中へ沈まないように、体を持ち上げてくれてる。

 他の子も、みんなで私の体を支えてくれていた。

 顔を見ると、昔よく遊んでた近所の男の子ばかり。



「みんな、ありがとう……」