覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「あなたのお姉さん、東京でどういう教育うけてるのって」


「……」


 真央は何度も小さく頷いてる。


「見かねた律子さんが、電話を変わって謝ってくれたみたいね」


「……」


「なにも反論できない真央に向かって、電話で一方的に話すなんて先生ズルいよ」


「……」


「だってそうでしょ……ごめん真央、私も一方的に話してた。先生と同じね……」


 真央は歩み寄ってきて、私の肩を優しく手でポンポンとたたいてくる。

 もうそれだけで、気にしなくていいんだよと言われたように、私の心へ伝わってきた。


 大型フェリーが船着き場にない時は、港にあまり人の姿はない。

 今は近所の子どもたちが騒いだり遊んでも、注意されることはないだろう。


 広い空間を自分たちが独占してるようなものなので、走り回って騒いでる。

 その時、私は釣りをしてる人を目にした。


「なに、ここで魚が釣れるの?」



 船着き場の岸壁ギリギリの所に立ち、釣りをしてる大人の姿を私は見つめる。