覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 そう、私には母とお爺ちゃんお婆ちゃんがいるんだから。

 賢斗くんには悪いけど、言葉が出てこないよ……


 砂浜に立ち尽くす私は、口を噤む。

 穏やかな波の音を耳にしながら、無言を貫いてた時。

 大きな太鼓の音が響いてきた。

 空を見上げると、明るい満月の光が私を照らしている。



「始まったようだな、俺たちも行こうぜ」


「うん……」



 なんとなく、私の心情を察してくれた賢斗くん。

 話題を変えて、盆踊り大会へ行こうと誘ってくれた。

 私は振り返って、沈んでいた気持ちを隠したまま賢斗くんに笑顔を見せる。


「よかった、美央を怒らせるようなこと言ったかと思ってよ」


「そんなことないよ」


 胸を撫で下ろす賢斗くん。

 そして、静かに小声で言った。



「告白……って、雰囲気じゃねえよな……」



 聞こえたよ、賢斗くん……