覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 あふれ出る涙が止まらない真央。

 ポロポロと流れ落ちる涙が、海水にゆっくりと溶けていく。


 感謝の言葉を話すことができない真央だけど、流れ落ちる涙を見ただけで十分に伝わってくるよ。

 思いはちゃんと、みんなの心に届いてる。

 つらかったり悲しいんじゃない、感謝の涙なんだよね……


「それっ!」


 私は海水を手ですくって、真央の顔にかけた。

 海水で濡れた顔に、涙が流れた後はない。


「……」


 不愉快に思ったのか、真央は私に向かって足で蹴り上げた海水を全身にかけてくる。


「そうこなくっちゃ!」



 私たち姉妹が海水を楽しそうに掛け合ってるのを見て、賢斗くんも参戦。

 いつのまにか、みんなから海水をかけられて全身ビショ濡れ。


「たのしいね、真央!」


「……」


 私が声をかけると、真央は満面の笑顔で頷いて見せた。

 長い髪の毛先からポトポトとしたたり落ちる海水、濡れて重くなった服が不快に思えないほど今は心地いい。

 みんなから歓迎の海水を全身に浴びて、楽しい時間をすごしていた。



 島から離れていた長い時間を埋めるように、無邪気な声を出しながら騒ぎ続ける。