あれから七年間、この島に足を踏み入れることもなかった。
生まれ故郷から離れて生活していた私、幼少のころから月日は流れて、いつも一緒にいた男の子の存在すら忘れてる。
「けっ、賢斗くん、ひさしぶりだね……」
「俺のことなんて、すっかり忘れてただろ!」
「そんなこと……ない。こともない……」
「なんだそれ?」
ゲラゲラと笑う賢斗くんは、どうやら怒ってはいないようだ。
真央も声は出てないけど、私たちのことを見て面白がってるみたい。
「えっと、そういえば、さっき真央がいってたフィアンセってなにかな?」
私の言葉に、真央と賢斗くんは顔を見合わせて、お互いにうなずきあっている。
「おしえてくれないんだ……」
真央と賢斗くんは、この島でずっと暮らしてきた。
二人の仲がいいのは理解できるし、声の出せない妹の真央と親しくしてくれていたのには感謝している。
私が東京で暮らしていた時は、真央とお父さんのことだけを考えていた。
でも、島の人たちは私のことを今まで忘れずにいてくれる。
そう思うと、もうしわけない気持ちでいっぱいになってしまう。



