覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 フィアンセ

 とだけ書かれてた。


「なに?なんなの!?」


 真央は声こそ出せないけれど、大笑いしてお腹をおさえてる。


「えっ……」


 まったく理解できない状況の中、賢斗くんが声をかけてきた。


「俺のこと、わすれちまったのか?」


 そんなことを言われても、あなたのことなんか……

 ……あっ、ああっ、思い出した!

 成長して背も高く、声も低くてすっかり変わってしまったけど、まちがいない!


「私がこの島からいなくなるまで、いつも一緒にいてくれた幼なじみで同級生の賢斗くん……」


「おう!思い出したかっ!」


 私は顔をまっ赤にしながら、恥ずかしさのあまり賢斗くんに背中を向けてしまう。


 父島で暮らしていた幼少期は、必ずと言っていいほど賢斗くんが、私のそばにいてくれた。



 小学生になる前、私は父島を離れてしまったけど……