覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 静まり返った深夜、午前二時。

 隣で寝ていた真央が突然あばれだした。

 私は、おどろいて飛び起きると隣にいる真央へ急いで視線を向ける。


 見ると、両手で自分の首を押さえて苦しそう。

 月明かりが差し込む薄暗い部屋で、その様子を目にしてしまった。

 私は、体をさすって声をかけながら、妹を起こそうとする。



「どうしたの真央、体の具合でも悪い?」



 言葉にならない低いうめき声で苦しそうにしてる。



「なに、答えてよ……」



 私がこまり果てているとき、異変に気づいた律子さんが部屋に姿を見せた。

 月明かりが差し込む部屋で、くるしむ真央を目の前に律子さんは静かに話し始める。


「たまにあるんですよ、夜中に真央ちゃんが苦しむの」


 今日だけじゃなかったんだ。

 律子さんは顔を俯かせながら、小声で話し続ける。


「住み込みで働き始めてすぐの時は驚いて、心配でなんども見に来たりしてたんだけど……過去のトラウマなのでしょうか、見守ることしかできなくて……」