覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 お父さんは静かな口調で話してる。

 私とお母さんが、島を出てった後のことを……


 元気の無かった真央を心配して、近所の子供たちが遊ぼうと積極的に声をかけにきてくれて、よく外へ連れ出してくれたみたい。

 私も幼少の時によく遊んでいた顔見知りの子たち、年齢は関係なく仲良くやっていた様子。

 そんなある日、遊泳禁止の岩場でみんなと遊んでいた時に、悲劇はおきたんだって……



 濡れ岩場で足を滑らせた真央は、海中に転落してしまう。

 渦巻く海中に引きずり込まれて、真央は海面に上がってこない。


 泳ぎのじょうずな男の子たちが海に飛び込んで、海中を探した。

 その場にいた他の子供たちは、助けを呼びに走り出す。

 必死に海中を泳ぎまわって、やっとの思いで真央を見つける。


 なんとか地面に引き上げて、子供なりの知識で救命処置をしても意識は戻らない。

 あきめずに続けた救護処置のかいあって、海水を吐き出し、呼吸は戻ったけど目は閉じたまま、真央はぐったりしてる……



 そうしてるうちに、騒ぎを聞きつけた大人たちが押し寄せ、真央を車に乗せて病院へ運ぶ。

 命は取り留めたものの、一週間ほど意識は戻らず病院のベッドで寝たきりに。



 やがて目をさました真央は、声を出すことができなくなっていた……