覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「あら、色々な意味で真央も苦労してるんだね……」


 住み込みで働いてる人がいるって、お母さんから聞いてない。

 去年の春から、ということは一年くらいは一緒にいるってことかな?

 だから、保護者みたいな感じで私を迎えにきてくれたの?

 お父さんが頼んだかもしれないよね、代わりに行ってほしいって。


「立ち話もなんだから、店の中に入りなさいな」


 女の人が話かけてきた。


 髪を後ろで束ねて目つきがちょっと怖い印象、背もスラッと高くて細身。

 水中に潜るダイビングの仕事には似合ってる気がする。

 見た目がキツい性格っぽいので、ちょっと怖い印象もある。


 これは絶対に怒られそう、私はちょっと身構えてしまう。

 真央は女の人の言葉に反抗的な態度をすることもなく、涼しい顔で店内に入ってく。


 店内の椅子に座り、余裕の表情でくつろいでた。

 一方の私は、緊張して言葉が出てこない。

 真央の様子を見ると、何だ拍子抜けしちゃうくらいリラックスしてる。


 私も真央の横にある椅子に並んで座った。


「美央さん!」


「はっ、はい……」



 私たちの目の前に立ち、怒ったような表情で女の人が見下ろしてくる。