覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 幼少期に暮らしていた家を目の前にして、私は小声で挨拶をした。


「ただいま、帰ってきたよ……」


 古い商店を買い取って、一階は酸素ボンベやウェットスーツを置くスペースや店舗に改装して利用していた。

 二階は住居空間の間取りになっていて、家族で暮らしていた昔のことを思い出す。


「何も変わらないね……」


 幼少期のことを懐かしく思っていた時、私の背後から誰かが大きな声で話しかけてきた。


「あなたたち、どこで何をやってたんですか!」


 私と真央は、そろって振り返る。

 そこには、学校の会議室で私の隣に座っていた女性が立っていた。

 怖い顔をして腕組みしながら、私たちに視線を向けている。


「小学校で真央ちゃんに会えたのかな?よかった」


 大きな溜め息をつきながら、安心した表情で女性が話す。


「さすが、はなれて暮らしていても血のつながった姉妹ですね……」



 真央は女性に話かけられても無視。