覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「これからどうしよう……」


 真央はタブレットを鞄にしまい込み、乗ってきた自転車の椅子にまたがった。

 そして、後ろの荷台を指さして乗るように合図を送ってくる。


「うん、わかったけど……行き先は学校じゃないよね……」


 真央は顔を左右に振って否定してる。

 いったい、どこに行こうとしてるのやら……


 ここまできたら、なるようにしかならない。

 フェリーも父島から遠く離れていこうとしてる。

 強制的に東京へ帰されることはなくなったので安心だ。 

 今の私は、父島に来て色々とふっきれているからね。


「じゃあ、お願いしようかな」


 行き先を聞かないまま、私は自転車の後ろに乗る。

 少しゆるい下り坂なので、運転は楽そう。

 走りはじめてすぐ、私は横に顔を向けて海岸を見つめてる。


 妹の背中と水平線を交互に見ながら、私も口を閉じて綺麗な景色を楽しむ。

 道路を走っていた真央の自転車が、海岸を目の前にした所にあるダイビングショップの前で止まった。

 その店と場所を目にして、私はタイムスリップしたような感覚になってしまう。



「なつかしい……」