覚悟を決めた夏、あの空の向こうに




 ひさしぶりに会った妹の真央は、すっかり大人っぽくなっていた。

 身長は私と同じ百五十センチぐらい、髪の毛先が肩にかかるくらいの長さ。

 目鼻立ち、顔の輪郭、細身の体つきも似てる。


 髪の長いところを除けば、まるで私と双子みたい。

 フードのついた半袖パーカー、ミニスカートにスニーカーを履くいた服装でラフな感じ。

 小学六年生の妹が、目の前に立っている。



「真央、なんだよね」



「……」



 やっぱり声が出せないみたい。

 話かけてると、うなずいて反応するから耳は聞こえてる。


 私が島をはなれる時、小学生になる前は普通に話をしていた。

 その後、何かあったにちがいない……



 私の顔を見つめたままの真央が、口を閉じ人差し指を海のほうに向ける。


「えっ、なになに?」


 その方角を見ると、港を離れた定期船フェリーが水平線に向かって航行していた。


「行っちゃったね……これでしばらく、私は父島にいることができる」


 無言でうなずく妹の真央。



 水平線に向かって航行していくフェリーが見えなくなるまで、二人そろって海を見つめ続けていた。