覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 口を閉じたまま私に背を向け、女の子は首を縦に振ってうなずいてる。

 言葉を失った理由は、聞くことはできないよね……

 背中を向けて顔の表情は見えないけど、どんな子だろう。


「聞きたいことがあるんだけど、むりかな?」


「……」


 無言でうなずいてるから、私の話は普通に聞こえてる。

 いっぽうてきにだけど、質問を続けさせてもらった。


「私には、七年ほど離れて暮らす妹が島にいるの。その子の名前は、倉橋真央っていうんだけど知ってるかな?」


「……」


 女の子は無言で首を縦に振ってる。

 うなずいてるということは知ってるんだ!


「ほんとうに!」


「……」

 私に背を向けたまま、鞄に手を入れ何かをさがしてる。

 そして、すぐに大きな物を取り出した。


 見ると、画面の大きなタブレットで、いつも持ち歩いてるみたい。

 女の子の背中に視線を向けながら、私は声をかけてみる。



「なにしてるの?」