覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 駅の改札口を出ると、私は歩き始めた。


 ゆっくり歩き進んで五分ほどの場所にある、客船ターミナルを目指す。

 手に持つキャリーバッグをゴロゴロと引きながら、不安な気持ちでいっぱいだ。


 ターミナルに入ると、周囲をキョロキョロ見回しながら窓口に向かう。

 カウンターにいる人に向け、ドキドキしながら自分の名前を言った。

 私は搭乗券を買い、ほっとして胸をなでおろす。


「ここまでは、なんとか予定どおりね」


 いよいよ、小笠原諸島の父島へ向かう船に乗り込める準備ができた。

 出発の時間を前にして、私は大きく深呼吸。


 入口に向かい、搭乗券のコードを読み取ってもらう。

 歩き進むと、長い廊下のようなタラップをのぼって船に乗り込んでいく。


 私はすぐに、外の景色を見ることができる展望デッキへ向かった。

 乗船時間を終えた船は、ゆっくりと岸壁をはなれていく。


 航海の無事をいのりながら、港で手をふる作業員やスタッフさん。

 その返事をするように、船が汽笛を鳴らしながら客船ターミナルを離れていく。

 港を出発してすぐに、大きな電波塔が見えた。


「すご~い!」