「あっ、お巡りさんが立ってるよ!」
「……」
無言で自転車を走らせる女の子の背中に向けて言ったけど、わかってるのかな?
島の子なんだから、見つからないように回り道をするよね。
――なんて、甘い考えだった!
まさかと思ったけど、堂々と警察署の前を走って行こうとしてる。
やっぱり、二人乗りをする私たちを見つけて、警察官が大声を出して注意してきた。
「コラーッ!」
自転車を走らせる女の子は、迂回して裏道へ回ろうとは考えてないみたい。
それどころか、ペダルをこぐ足が速くなってるよ!
道路の真ん中を堂々と走り、警察署の前を走りすぎて行こうとしてる。
「ごめんなさ~いっ!」
警察官がホイッスルを鳴らして警告してるけど、女の子は無視。
無口でおとなしそうな感じだけど、大胆で度胸のある行動に私は驚きを隠せない。
こういう、元気な子は昔の妹みたいで大好き。
お巡りさんや警察署を見向きもせず、まっすぐ前を向いて自転車のペダルをこいでる。
鳴り響くホイッスルを耳にして、警察署から遠ざかって行く。
「だっ、だいじょうぶかな?」
「……」



