覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 その子は私を見ないで、前を向いたまま後ろに指をさしていた。


「えっ、自転車の後ろに乗せてくれるの?」


「……」


 無言で首を縦に振って、うなずいてくれた。


「ありがとう!」


 私は女の子の気が変わらないうちに、自転車の後ろに素早く乗る。

 そして肩を優しくたたき、乗ったよ、と合図を送った。
 
 ――と同時に、いきおいよく自転車が走りはじめる。


 体育館の裏道を通り、グラウンドを直進。

 自転車のスピードも早くなっていき、私は体に風を感じながら自転車の後ろに乗っていた。

 白いワンピースの裾をヒラヒラと揺らしながら、早い速度で突き進んでいくのが心地いい。


「わぁぁ!すご~いっ!」


 乾いた火山灰がホコリになって空中に舞い上がる。

 いきおいよく直進してる自転車だけど、今度は左に向きを変えたみたい。


 グラウンドを突き抜けて、裏門から学校の敷地を脱出すると私は思っていた。

 ところが、先生らしき大人たちが前で通路をふさいでいるよ!



「どうしよ~っ!」