覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 横にある自転車のそばに人の気配、誰かが立ってる。

 まったく気付かなかったので驚いた。

 私を探す大人や先生たちに注意を向けていたから、しかたないよね。


「あの……」


 目線を合わせないまま、静かに口を開く。

 チラッと見た感じだと、小学生の高学年で女の子、背も私と同じくらいの印象。

 私は自分の手で顔を隠しながら話かけている。

 どう見ても不審者だよね、さわがれないように気をつけなくちゃ。


「ごめんなさい」


 うまく言葉が出なくて、あやまってしまう。


「……」


 相手の子から、へんじは返ってこない。

 夏休み期間だから、学校に生徒はいないはずだけど。


「こまったな、どうしよう……」



 私は疲れた表情でしゃがみ込み、体を丸める。