覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「ええっ!しかたないわね、こっち来なさい!」


 先生が会議室の扉を開けて出て行き、職員室の外で手まねきしてる。


「保健室に行くから、ついてきなさい!」


「はい……」


 先生の言葉に、嘘の演技で表情を曇らせながら返事をする。

 私も後を追うように、お腹を手で押さえたまま会議室から足を踏み出した。



 ――次の瞬間!



 私は全速力で走り出す!

 荷物の入ったキャリーバッグは会議室に置いたままだけど、しかたないよね。


 周りを見向きもせず職員玄関へ走る。

 あわてて靴を履いてると、後ろからから先生の怒鳴り声が聞こえてきた。


「待ちなさい倉橋美央っ!にげるなーっ!」


近づいてくる先生の足音を耳にしながら、靴を履き終えた私は外へ飛び出した。


「まてと言われて立ち止まったら、つかまっちゃうよっ!」



 私は捨てゼリフを大声で言い放ち、走り続ける。