私は、一人で電車に乗って移動していた。
不安な気持ちのまま、目的の駅へ向かってる。
椅子に座ったまま、ガラス窓をなにげなく見つめた。
鏡のように反射して窓ガラスに写り込んだ自分の姿は、気むずかしい顔をしている。
「はぁ~、だいじょうぶかな……」
大きな溜め息をつくと、不安な声でひとりごとを言ってしまった。
椅子に座って、私は流れる景色を見つめている。
そうしてるうちに、電車内のスピーカーから次の駅名がアナウンスされた。
「さてと、おりましょうか」
電車が停止する前に椅子から立ち上がり、荷物を手に持って出口へ向かう。
扉が開くと電車をおりて、駅のホームに立つ。
周囲を見回したあと、私は小声でつぶやいた。
「ここから始まるのね、私の旅が……」



