覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 職員室に通されたけど、夏休みなので教職員の姿も少ない。

 先生は奥のほうにある会議室の扉を開き、私を手まねきして誘導してる。


 導かれるまま室内に入ると、机のようなテーブルが中心にあり椅子が置かれていた。

 椅子には、二十歳ぐらいの髪が長くて美人な女性が座っている。


 女性の横にある椅子に腰を下ろして座るよう、先生に言われた。

 テーブルをはさみ、向かい合う形で目の前にある椅子に先生が座る。

 そして、私を見つめてきた。


「まるで親子面談みたい……」


 小声でつぶやく私の声を聞いた先生は、鋭い眼光を向けてきた。

 顔を横に向け、隣の女性や向かい合う先生から私は視線をそらす。

 少し沈黙したあと、静かに口を開いた先生が言ってきた。


「本日、15時30分発のフェリー船に乗って東京へ帰ってください」


やっぱり、言われると思った。

 予想はしてたけど、具体的な時間まで指定してくるんだから、かなり本気で言ってきてるような印象を受ける。



 私のキャリーバッグは先生の横に置いてあるし、どうにもできない……