覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「さあついたわよ、倉橋未央さん。車からおりてくれる」


 私は返事をせずに、シートベルトをはずした。


「はぁ~……」


 大きな溜息を吐いてから車のドアを開け、重い腰を上げる。

 不機嫌な私は、車から降りてドアを思いっきりバタンと荒々しく閉じてしまった。

 その態度を見ていた先生が、目尻を連り上げながら言ってくる。


「都会の子は、これだからっ!」


 小声で文句をいいながら、渋い顔をして私をにらんでくる。


「都会の子で悪かったですね!」


 私は思わず、反抗的な態度で言い返してしまった。


 でもね、先生は勘ちがいしてるみたい。

 私は、この島で生まれて幼少期を過ごしたんだよ。



 お母さんとお父さんが離婚して、離れて暮らすことがなかったら、私だってこの島で妹と笑ってすごしてたかもしれないのに……