覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「警察より先に見つけることが出来て、本当によかった」


「私を?どうしてですか?」


「大騒ぎにならず、すんだからよ」


「そうなんですか……」


 車の助手席に座る私は、黙って顔を下に向ける。


「フェリーに乗ってくるはずだから、到着の時間に出口で待ってれば姿を見せると思っていたのよ」


「そうですか……」


 島の外からこれるのは、フェリーがほとんどだ。

 倉橋未央が東京から来るといえば、翌日、港に到着するのは何となく分かってしまう。

 フェリー乗り場の出口でまってれば、だまってても姿を見せるはずだと思われたにちがいない。


「じゃ、行ますからね」


「いやです」


「まったく、優しくておとなしい妹の真央ちゃんと、お姉さんは正反対の性格ね!」



 私は頬をふくらませて、ふきげんな表情を見せていた。