覚悟を決めた夏、あの空の向こうに




「倉橋美央さんですよね?」


「……ちがいます」


「いやいや、そうでしょう!」


「たぶん、人ちがいです……」


「はい、倉橋未央さん。私といっしょに行きましょうか」


「やめてください、どこに証拠があるんですか!」


 何も知らないふりをして、やりすごそうとした。

 でも、その人は私の顔を見つめながら話しかけてくる。



「だって、妹の真央ちゃんと双子みたいに顔がそっくりよ」



「……」



 私は口を閉じたまま、言葉がでてこなかった。