覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「じゃあ、アドレス交換しましょうか」


「……」


 無事に交換を済ませ、私はホッと胸をなで下ろしてる。

 真央を見ると満面の笑顔、何だか私まで嬉しくなってしまう。


 船が港から離れる時間が迫ってるけど、賢斗くんやイガちゃんたちは姿を見せない。

 さよならの挨拶をしないで別れてしまうのは寂しいけど、しかたないよね。



「じゃあね、時間だから行くよ」



 真央はタブレットで顔を隠し、はずかしそうに手を振ってる。

 笑顔のお父さんも手を振りながら。


「美央!お母さんのこと、たのんだぞ!」


 と、父は最後まで母のことを気にかけている様子。


「未央さ~ん、またあしたね~」


 大粒の涙を流しながら、別れれを惜しむしむ律子さん。

 明日になったら、私はこの島にいないよ。と、口にすることはできないでいる。

 すごく天然さんだけど、憎めない大好きな人。


「来年の夏休み、また父島に来たいと思ってるんだけど……いいかな……」


「……」


 真央は無言で頷いて、笑顔を見せる。


 お父さんと律子さんも、大歓迎と言ってくれた。