覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 幼なじみとはいえ、同じ年の男の子にいきなりそんなこと言われても、どう答えたらいいかわからないよ。

 真央につれられて来てみたけど、まさかこんな展開になってしまうとは……


「俺のことキライ?美央は東京に好きな人でもいるのか?」


 質問攻めにされても、答えられない。

 ただ……ひさしぶりに会って、幼い時の気持ちを思い出せと言われても……


「俺のことが好きなんじゃなくて、結婚したら島に残れるって思ったからなのか……美央がいなくなってからも、ずっと俺は考えてたんだぜ……」


 そういえば、お母さんに連れられて島を離れると言われた時、どうしたらこの場所に残れるか、幼いながら知恵をしぼって考えたんだっけ。

 いつも私のそばにいてくれる賢斗くんと、結婚すれば島に残れるかもって……


 幼い時に言った、軽はずみな考えで大騒ぎして賢斗くんを傷つけてしまった。

 その時のことを、妹の真央はずっと今まで覚えていたから……


 私は夕日を見つめながら、静かにつぶやいた。


「思い出したよ、賢斗くんのフィアンセね……」


「おう……」


 賢斗くんはそう言うと、すぐに口を閉じてしまう。


「ごめんね、幼い時の私は必死で……この島に残りたかったの……」



 ちょっと寂しそうに、賢斗くんは答える。



「そうか、だよな。わかってたよ」