覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 突然、真央が右手をヒラヒラと振りながら一人で帰ろうとしてる。


「えっ、ちょっと……」


 そのまま自転車のベルをチリンチリンと鳴らし、無言で帰っていった。


「なんなのよ、あの子……」


 その場に残された私と賢斗くん。

 お互いに口を閉じたまま、黙り込んでしまう。


「美央……」


 先に賢斗くんが声をかけてきた。


「なに」


 私はちょっと恥ずかしくて、賢斗くんに視線を合わせず夕日を見つめてる。


「あした、フェリーに乗って東京に帰るんだよな」


「そうだよ」


「また、しばらく会えないんだろ」


「うん……」



 賢斗くん、どうして、そんなことを聞くのよ。



 私と、離れたくないってことなの……