「ん…」
朝、僕はゆっくりと目を開けた。
何度か瞬きをすると目が覚めてきて、あたりを見回す。
そこは昨日までいた部屋とは違う、生活感のある部屋。
「ここ…どこだ?」
一瞬の戸惑いが生まれる。
けれど、僕はすぐに思い出した。
昨日の夜に月海くんがきて、すぐに荷物をまとめてこの部屋に来たんだ。
この大きいベッドは月海くんのもので、この部屋はもちろん彼の部屋。
僕が泊まる用の部屋の準備がまだできてないからって、昨日はここに泊まらせてもらったんだった。
月海くんが隣にいないのを見て、僕はスマホで時間を確認した。
時間は10時頃。
本来なら学校に行っている時間で、すでに授業が始まっている時間だと思うと少し焦る。
でも、学校はずっと家のために行っていたようなものだから。
もうそんなに頑張って行く必要はないかも。
そう、なんだか解放的な気分だった。
月海くんはもう学校に行っているのだと思う。
そう思ったのだが、今部屋に入ってきた月海くんの姿を見て予想は違っていたと知る。
「鷹栖起きたのか」
「え……あ、うん。君は…学校に行かなかったの?」
「あーまあ気にすんな。それより、ちゃんと眠れた?」
それ以上聞かれたくないのか、話をそらされてしまった。
まあ、対して興味もないしいいか。
「久しぶりによく眠れたよ。ありがとう。それより、僕はこれから何をすればいいのかな?」
「んえ?別に好きに過ごしていいよ?」
彼がそう即答したので、僕は驚いて目を見開く。
昨日君が仕事の手伝いをしてもらいたととか言っていなかったっけ?
そう聞くと、今度は月海くんが目を見開いた。
「それはただの口実だよ。鷹栖は俺の隣で笑ってくれてたら十分!あ!そうだ鷹栖!今度俺と出かけよーぜ」
そう言って笑う彼はまぶしかった。
それと同時に、昨夜気がついた気持ちがブワッとあふれてくる。
すぐに言葉を出せなかったかわりに、顔を背ける。
それに気がついてか月海くんは僕の顔をのぞきこんでくる。
僕の気持ちが知られてしまうんじゃないか、そう思った。
「鷹栖顔赤くね?もしかして体調悪い?!」
僕はほっとした。
「いや、大丈夫…」
「そっか?ならいいけどさ」
心配してくれることに、また胸の辺りがキュッとなる。
ダメだ、平常心でいられない。
そんな僕に気がついていないのか、彼はしゃべり出した。
「んーどこ行こうかな〜。行きたいとこって言ってもパッと思いつかねえんだよな。鷹栖はどっか行きたいとことかある?」
行きたいところか。
なんだろうな、僕はそういうのよく分からないから聞かれても困る。
でも、小さい頃に行きたかった場所なら。
「行けなかった修学旅行の宿泊施設に温泉があって。行ってみたいな。あとは、遊園地とか」
「オッケー。じゃあ、どっちも行こう!」
「いいの…?」
「もちろん!他にも行きたいところかあったら言えよ。絶対連れてってやるから」
そんなことを言うから、なんだか面白くて笑ってしまった。
嬉しかった、純粋(じゅんすい)に。
月海くんと出かけられることが。
でも、こんな感情すぐに捨てなきゃいけない。
こんな汚い感情は月海くんには迷惑だろうから。
朝、僕はゆっくりと目を開けた。
何度か瞬きをすると目が覚めてきて、あたりを見回す。
そこは昨日までいた部屋とは違う、生活感のある部屋。
「ここ…どこだ?」
一瞬の戸惑いが生まれる。
けれど、僕はすぐに思い出した。
昨日の夜に月海くんがきて、すぐに荷物をまとめてこの部屋に来たんだ。
この大きいベッドは月海くんのもので、この部屋はもちろん彼の部屋。
僕が泊まる用の部屋の準備がまだできてないからって、昨日はここに泊まらせてもらったんだった。
月海くんが隣にいないのを見て、僕はスマホで時間を確認した。
時間は10時頃。
本来なら学校に行っている時間で、すでに授業が始まっている時間だと思うと少し焦る。
でも、学校はずっと家のために行っていたようなものだから。
もうそんなに頑張って行く必要はないかも。
そう、なんだか解放的な気分だった。
月海くんはもう学校に行っているのだと思う。
そう思ったのだが、今部屋に入ってきた月海くんの姿を見て予想は違っていたと知る。
「鷹栖起きたのか」
「え……あ、うん。君は…学校に行かなかったの?」
「あーまあ気にすんな。それより、ちゃんと眠れた?」
それ以上聞かれたくないのか、話をそらされてしまった。
まあ、対して興味もないしいいか。
「久しぶりによく眠れたよ。ありがとう。それより、僕はこれから何をすればいいのかな?」
「んえ?別に好きに過ごしていいよ?」
彼がそう即答したので、僕は驚いて目を見開く。
昨日君が仕事の手伝いをしてもらいたととか言っていなかったっけ?
そう聞くと、今度は月海くんが目を見開いた。
「それはただの口実だよ。鷹栖は俺の隣で笑ってくれてたら十分!あ!そうだ鷹栖!今度俺と出かけよーぜ」
そう言って笑う彼はまぶしかった。
それと同時に、昨夜気がついた気持ちがブワッとあふれてくる。
すぐに言葉を出せなかったかわりに、顔を背ける。
それに気がついてか月海くんは僕の顔をのぞきこんでくる。
僕の気持ちが知られてしまうんじゃないか、そう思った。
「鷹栖顔赤くね?もしかして体調悪い?!」
僕はほっとした。
「いや、大丈夫…」
「そっか?ならいいけどさ」
心配してくれることに、また胸の辺りがキュッとなる。
ダメだ、平常心でいられない。
そんな僕に気がついていないのか、彼はしゃべり出した。
「んーどこ行こうかな〜。行きたいとこって言ってもパッと思いつかねえんだよな。鷹栖はどっか行きたいとことかある?」
行きたいところか。
なんだろうな、僕はそういうのよく分からないから聞かれても困る。
でも、小さい頃に行きたかった場所なら。
「行けなかった修学旅行の宿泊施設に温泉があって。行ってみたいな。あとは、遊園地とか」
「オッケー。じゃあ、どっちも行こう!」
「いいの…?」
「もちろん!他にも行きたいところかあったら言えよ。絶対連れてってやるから」
そんなことを言うから、なんだか面白くて笑ってしまった。
嬉しかった、純粋(じゅんすい)に。
月海くんと出かけられることが。
でも、こんな感情すぐに捨てなきゃいけない。
こんな汚い感情は月海くんには迷惑だろうから。


