「とりあえず、あんまり聞かれたくないし生徒会室に移動していい?」
「もちろんいいけど、他のメンバーとかいないの?」
僕達は移動をしながら話す。
「いるけど…。隣に会長専用の部屋があるから」
「へー」
自分で聞いたくせに、あんまり興味がなさそうな月海くん。
まあ、いいけど。
そんなこんなで生徒会室について、僕は彼を先にいれる。
「ちょっと待ってて。電話してくる」
「…ここですればいいじゃん」
なにやら探りの目を向けてくる。
別に警戒する必要ないと思うんだけど。
「そう?じゃあ、部屋で電話させてもらおうかな」
そう言って僕はドアを閉めて、悠人に電話をした。
長話になると思うし、その間待たせておいたら心配をかけそうだからね。
本当は先に帰っていいと言いたいけど、悠人はそんなことしないし。
待っててもらうしかない。
「もしもし悠人」
『蒼唯様どうかされましたか?お帰りが遅いようですが』
「言ったでしょ?日直の仕事があるって」
日直のことについては、事前に言ってあった。
「先生に頼まれごとされてね。少し学校に残るから」
『…承知しました』
少し怪しまれてた気もするけど、まあいいや。
悠人ならきっと秘密にしてくれるだろうし。
あの人にさえバレなきゃ、なんでもいいかな。
「ねー。今の誰?」
「幼馴染の人で、僕の世話係みたいな人だよ。すごく優秀で僕も助かってるんだ」
僕がそう説明すると、月海くんは一瞬不機嫌そうになった。
けれど、それは本当に一瞬ですぐに話を変えられた。
「それで?俺は鷹栖の話を聞きたいんだけど」
「…分かった」
僕はそう返事をして、向かい合わせに座った。
それから、僕は話し出した。
「僕はね、罪の子なんだよ。白雪姫一家に生まれた罪の子。……鷹栖家について、君は何を知ってる?」
「えっと…。そうだな、まあ普通に有名な会社?あとは社長がすごく厳しいだとか」
「うん。そうだね」
社長、つまり僕の父親は本当に厳しい人だ。
だから、母の罪も決して許さないだろう。
「僕は父の本当の子じゃないんだ。母が不貞(ふてい)を働いてできた子なんだよ。だから、父の代わり…というか。いろんな人の相手をしてる。この黄色の瞳がそれを証明してるんだよ」
「…は?いやいや、どういうことだよ」
焦った様子で僕を見る月海くん。
話を理解できてないみたいだ。
というより、随分と混乱してしまっている。
「そのままの意味だよ?鷹栖家は代々黒髪黒目の白い肌、真っ赤な唇を持って生まれてくる。でも、僕の本当の父親は瞳が黄色だったからそれが色濃く出たんだ」
「…」
少しの間ぽかんとしてから、彼は考え込むような様子を見せた。
きっと彼も同じ反応をする。
そう思っているけれど、やっぱり怖くて手を震わせている自分がいる。
「でも、それが鷹栖になんの関係があるんだよ」
「え?」
「だってそれは鷹栖の母親が悪いことをしたってだけだろ?鷹栖はなにも悪いことしてないじゃん」
僕がいろんな人の相手をしているとか、父親に支配されてるだとかそういうのよりも僕を見てくれるのか。
それが嬉しかった。
気持ち悪いだとか、かわいそうだとかそういうことは一切言わないんだ。
そう思ったら嬉しくて、いつのまにか僕の目からは涙があふれていた。
「えっ?!鷹栖、ごめん俺なんか気にさわること…」
「してない、してないよ」
僕はただ泣くことしかできなくて、今まで抱え込んでたものが一気にあふれ出して。
止まらなかった。
「もちろんいいけど、他のメンバーとかいないの?」
僕達は移動をしながら話す。
「いるけど…。隣に会長専用の部屋があるから」
「へー」
自分で聞いたくせに、あんまり興味がなさそうな月海くん。
まあ、いいけど。
そんなこんなで生徒会室について、僕は彼を先にいれる。
「ちょっと待ってて。電話してくる」
「…ここですればいいじゃん」
なにやら探りの目を向けてくる。
別に警戒する必要ないと思うんだけど。
「そう?じゃあ、部屋で電話させてもらおうかな」
そう言って僕はドアを閉めて、悠人に電話をした。
長話になると思うし、その間待たせておいたら心配をかけそうだからね。
本当は先に帰っていいと言いたいけど、悠人はそんなことしないし。
待っててもらうしかない。
「もしもし悠人」
『蒼唯様どうかされましたか?お帰りが遅いようですが』
「言ったでしょ?日直の仕事があるって」
日直のことについては、事前に言ってあった。
「先生に頼まれごとされてね。少し学校に残るから」
『…承知しました』
少し怪しまれてた気もするけど、まあいいや。
悠人ならきっと秘密にしてくれるだろうし。
あの人にさえバレなきゃ、なんでもいいかな。
「ねー。今の誰?」
「幼馴染の人で、僕の世話係みたいな人だよ。すごく優秀で僕も助かってるんだ」
僕がそう説明すると、月海くんは一瞬不機嫌そうになった。
けれど、それは本当に一瞬ですぐに話を変えられた。
「それで?俺は鷹栖の話を聞きたいんだけど」
「…分かった」
僕はそう返事をして、向かい合わせに座った。
それから、僕は話し出した。
「僕はね、罪の子なんだよ。白雪姫一家に生まれた罪の子。……鷹栖家について、君は何を知ってる?」
「えっと…。そうだな、まあ普通に有名な会社?あとは社長がすごく厳しいだとか」
「うん。そうだね」
社長、つまり僕の父親は本当に厳しい人だ。
だから、母の罪も決して許さないだろう。
「僕は父の本当の子じゃないんだ。母が不貞(ふてい)を働いてできた子なんだよ。だから、父の代わり…というか。いろんな人の相手をしてる。この黄色の瞳がそれを証明してるんだよ」
「…は?いやいや、どういうことだよ」
焦った様子で僕を見る月海くん。
話を理解できてないみたいだ。
というより、随分と混乱してしまっている。
「そのままの意味だよ?鷹栖家は代々黒髪黒目の白い肌、真っ赤な唇を持って生まれてくる。でも、僕の本当の父親は瞳が黄色だったからそれが色濃く出たんだ」
「…」
少しの間ぽかんとしてから、彼は考え込むような様子を見せた。
きっと彼も同じ反応をする。
そう思っているけれど、やっぱり怖くて手を震わせている自分がいる。
「でも、それが鷹栖になんの関係があるんだよ」
「え?」
「だってそれは鷹栖の母親が悪いことをしたってだけだろ?鷹栖はなにも悪いことしてないじゃん」
僕がいろんな人の相手をしているとか、父親に支配されてるだとかそういうのよりも僕を見てくれるのか。
それが嬉しかった。
気持ち悪いだとか、かわいそうだとかそういうことは一切言わないんだ。
そう思ったら嬉しくて、いつのまにか僕の目からは涙があふれていた。
「えっ?!鷹栖、ごめん俺なんか気にさわること…」
「してない、してないよ」
僕はただ泣くことしかできなくて、今まで抱え込んでたものが一気にあふれ出して。
止まらなかった。


